CASE STUDY

相続

家庭裁判所から遺産分割の調停が申し立てられたという通知が届いたのですが、調停とはどういう手続なのでしょうか。

【ご相談者】札幌市 30代男性(会社員)

解決結果

遺産分割の調停とは、調停委員を通じて全相続人が話し合い、遺産分割について合意を図る手続です。
弁護士に依頼することで、期日の出席や裁判所に提出する書面の作成などを弁護士に任せることができ、円滑に進めることができました。

調停は、全当事者が裁判所に集まり調停委員を通じて話し合う手続です。
調停委員は男性1名・女性1名の計2名で、原則として調停の途中で変わることはありません。
基本的に全当事者が同じ日に裁判所に来ることになりますが、各当事者は個別に調停委員と話をするので、裁判所で他の当事者と協議することはありません。ある当事者が調停委員と話している間、他の当事者は待合室で待機することになります。


調停が申し立てられると、申立人以外の当事者に裁判所から書類が届きます。
書類には、裁判所で調停を行う日(『期日』といいます)が記載されており、期日の前に遺産分割に関する事情調査の書面に記入して返送するように指示されます。


期日は平日の昼間(午前9時~午後5時)に行われます。
ご依頼者様が仕事や遠方にお住まい等の理由で期日に出席することが難しい場合、弁護士に依頼すれば弁護士だけが出席して調停を進めることができます。
なお、司法書士や行政書士は、調停に出席することはできません。


話し合いの結果、遺産分割について合意ができた場合には、調停が『成立』します。調停が成立した場合、合意内容が裁判所作成の調停調書に明文化されるので、調停調書を用いて銀行や法務局で相続手続を行います。
他方、ある程度調停を続けても遺産分割について合意ができない場合には、調停は『不成立』となります。調停が不成立となった場合には、自動的に『審判』という手続に移行します。


ご依頼者様は調停は初めてでしたが、弁護士に依頼することで、最初の事情調査に関する書面から弁護士が作成し、期日にも弁護士が出席することでご依頼者様は仕事を休んで裁判所に出頭する必要もなく、円滑に調停を進めることができました。
書面の内容についてはお打合せをした上で作成し、原則として裁判所に提出する前にご依頼者様にご確認頂いております。
また、期日の経過については原則としてその日のうちに弁護士からご報告し、今後の事件処理の方針についてご説明しました。

 


【執筆者】

弁護士 佐瀬達哉

東京と大阪で弁護士として勤務した後、2008年から札幌で葛葉法律事務所を開所。
離婚、相続などの家事事件に関する解決実績多数。
相続では使途不明金や共有不動産に関する訴訟案件などにも対応。

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