CASE STUDY

成年後見

最近、母親がボケてきたようで、成年後見を利用するかどうか悩んでいるのですが、簡単に調べる方法はありませんか?

【ご相談者】札幌市 50代女性(会社員)

解決結果

長谷川式簡易知能評価スケールという、誰でも手軽に実施できるテスト方法があります。テスト結果によって、成年後見を利用するほどの認知症かどうか判別することができます。

認知症の有無や程度を手軽に検査する方法として、『長谷川式簡易知能評価スケール』があります。
ご本人に9つの質問をするというもので、専門的な知識等がなくても誰でも手軽に実施できます。
ご家族の方がご本人にこのテストを行って、その結果を踏まえて専門医の診察に行くかどうかを判断することができます。
具体的な質問内容や注意事項については、以下のリンク先のシートをご参照ください。

https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/pdf/tool_05.pdf
(リンク先:一般社団法人日本老年医学会)


テストは30点満点で、20点以下は認知症の疑いがあるとされています。
しかし、20点以下の場合でも、さらにその程度によってどの制度を利用できるかが変わります。
概ね10点以下の場合が、認知症の程度が強いとして、成年後見が相当とされる段階です。
11点~20点の場合は、認知症の程度がそこまで強くないとして、成年後見ではなく保佐や補助が相当となります。


ただし、長谷川式簡易知能評価スケールの結果はあくまで評価基準のひとつに過ぎません。
成年後見の申立てに当たっては最終的に専門医の診断が必要となります。11点以上でも成年後見相当とされる場合もあれば、10点以下でも成年後見相当ではないとされる場合もあります。
そのため、まずは長谷川式簡易知能評価スケールを実施して、その点数が20点以下となった場合に、専門医に診てもらうのが良いでしょう。

 


【執筆者】

弁護士 佐瀬達哉

東京と大阪で弁護士として勤務した後、2008年から札幌で葛葉法律事務所を開所。
離婚、相続などの家事事件に関する解決実績多数。
相続では使途不明金や共有不動産に関する訴訟案件などにも対応。

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