CASE STUDY

相続

15年前に父が他界しましたが、父の自宅不動産を父名義のまま姉が使用しています。父の自宅不動産の遺産分割を姉に請求したのですが、相続に時効などはあるのでしょうか?

【ご相談者】札幌市 40代女性(会社員)

解決結果

遺産分割をするのに時効はありませんので、被相続人が死亡してから15年経過していても相続手続ができます。

遺産分割をするのに時効はありません。
したがって、相続開始が10年以上前だろうと、遺産分割の手続をすることが可能です。


ただし、遺産分割は原則として現存する遺産が対象となります。
時間が経過すればするほど預貯金等の遺産は分散消失する恐れがあります。
もし時間の経過によって遺産が無くなってしまった場合、遺産分割をするのが事実上難しくなります。

また、時間が経過すると、本来の相続人が死亡して同相続人の相続人に移る可能性が出てきます。
そうなると、いざ遺産分割を使用としたときに相続人が多数になり、しかも全国に散らばっているという事態が起こり得ます。

よって、相続手続は速やかに行う方が望ましいでしょう。


なお、相続に関して期間制限がある主な手続は以下のとおりです。

・相続放棄……相続開始があったことを知ってから3ヶ月以内
・遺留分侵害額請求……相続開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知ってから1年以内
・特別受益、寄与分の主張……相続開始から10年以内(2023年4月1日から施行、5年の猶予期間あり)
・不動産の相続登記……①相続が発生し、不動産の所有権を取得したことを知ったときから3年以内、②遺産分割協議が成立したときは、成立した日から3年以内(2024年4月1日から施行)

 


【執筆者】

弁護士 佐瀬達哉

東京と大阪で弁護士として勤務した後、2008年から札幌で葛葉法律事務所を開所。
離婚、相続などの家事事件に関する解決実績多数。
相続では使途不明金や共有不動産に関する訴訟案件などにも対応。

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