CASE STUDY

相続

私の両親が離婚して、私は母親に引き取られて育てられました。その後、母親が連れ子のいる男性と再婚しました。その義父が他界したのですが、私には義父の遺産を相続する権利はないのでしょうか?

【ご相談者】札幌市 50代男性(会社員)

解決結果

義父と養子縁組をしていれば義父の相続人となりますが、単に親が再婚しただけで養子縁組までしていなかった場合は相続人とはなりません。

相続人となる『子』は、実子だけでなく養子も含まれます。実子と養子で相続分に差異はありません。
養子の場合、養親との親子関係だけでなく実親との親子関係も残りますので、養親と実親の両方の相続人となります。
※特別養子縁組の場合は実親との親子関係は消滅するので実親の相続人とはなりません。


親が再婚した場合、そのままでは連れ子と義父母の間に法的関係は生じません。
連れ子と義父母が養子縁組をすることで、初めて法的に親子関係となり、扶養義務や相続の権利が発生します。


本件では、相談者様は母親が再婚してから義父と実の親子のような関係を築いていました。
しかし、戸籍を確認したところ、相談者様と義父の間に養子縁組がされていなかったことが分かりました。
そのため、残念ながら法的には相続人とはなりませんでしたが、遺族の好意でいくらか財産分けがなされていたので、それで納得して徒に紛争を起こさないで済みました。

 


【執筆者】

弁護士 佐瀬達哉

東京と大阪で弁護士として勤務した後、2008年から札幌で葛葉法律事務所を開所。
離婚、相続などの家事事件に関する解決実績多数。
相続では使途不明金や共有不動産に関する訴訟案件などにも対応。

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