CASE STUDY

父が他界して相続の話合いをしているのですが、弟から父が生前に公正証書で遺言書を作っていたはずだと言われて話合いが進みません。手元には公正証書はないようなのですが、どうすれば良いでしょうか?

【ご相談者】札幌市 40代男性(会社員)

解決結果

遺言公正証書であれば公証役場の『遺言検索システム』で検索することが可能です。もし遺言公正証書があることが確認できれば、遺言公正証書を取り寄せることも可能です。

平成元年以降に作成された遺言公正証書については、公証役場の『遺言検索システム』を利用することで、遺言公正証書の有無を確認することができます。
検索は公証役場であればどこでも可能です。
また、遺言書がどこの公証役場で作成されたものであっても検索可能です。


検索を請求できるのは基本的に遺言者の相続人となります。
遺言者の生前に検索することはできません。検索ができるのはあくまで遺言者が死亡した後になります。


検索の結果、遺言公正証書があることが確認できれば、その遺言公正証書を取り寄せることも可能です。
ただし、作成された公証役場以外で申請する場合は郵送での取寄せとなります。


本件では、弁護士がご依頼者様の代理人となって公証役場で遺言検索システムを利用し、遺言公正証書が作成されたことがないことを確認できたので、遺言書はないという前提で遺産分割の協議を進めることができるようになりました。

 


【執筆者】

弁護士 佐瀬達哉

東京と大阪で弁護士として勤務した後、2008年から札幌で葛葉法律事務所を開所。
離婚、相続などの家事事件に関する解決実績多数。
相続では使途不明金や共有不動産に関する訴訟案件などにも対応。

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