CASE STUDY

相続

調停をするなら弁護士に依頼した方が良いのでしょうか?

【ご相談者】札幌市 50代女性(会社員)

解決結果

①自分の希望を裁判所に適切に説明し、②調停を円滑に進行させ、③裁判所で不利に扱われないようにするため、調停をするなら弁護士に依頼する方が良いです。

「調停は裁判所の調停委員が間に入ってくれるのだから弁護士に依頼しないでもできるのでは?」「弁護士に依頼するメリット・デメリットは?」といった質問があります。

このような質問について、率直かつ具体的なところをご回答します。

 

1 自分の希望に沿って通められる

調停委員は中立の第三者という立場ですので、当事者のためにアドバイスをするということはありません。
当事者が調停委員に説明しても、調停委員は基本的にその旨を相手方に伝えるだけで、どう進めればよいかとか、どのような主張の仕方が効果的かなどといった点については、何も話してくれません。もし訊いてみても、「裁判所は何とも言えない」とやんわりと断られるか「そういうことは弁護士さんに相談して」などと言われます。
弁護士は、お客様の希望に沿って戦略を立てて、主張書面を作成したり、証拠を提出したりして、調停がお客様の希望に沿って進行するようできる限りの手段を尽くします。
そうすることで初めて、お客様の希望を明確に裁判所に伝えることができます。

 

2 円滑な進行ができる

調停委員は有識者から選ばれますが、基本的に一般市民なので必ずしも法的知識に精通しているとは限りません。
そのため、当事者自身にも、何が問題となっているのか、それについて法的にどのように処理するのが妥当なのかといった視点や理解がないと、調停期日で延々と無益な話合いをするだけになってしまい、時間だけが何ヶ月も経過してしまうことがあります。
弁護士に依頼すれば、要点に絞って協議をすることで、無駄な話し合いを避けて進めることができます。場合によっては、何をどのように問題とするのか、複数の問題をどの順番で処理しているのかという段階から、弁護士に依頼することでコントロールできることもあります。

また、調停は平日の日中に行われますが、お仕事等の都合で出席できず日程が延びることもあります。
弁護士に依頼すれば、弁護士だけ出席して調停を進めることもできますので、お仕事等をお休みする必要もありません。

 

3 不利に扱われない

調停はあくまで話し合いで合意できるかどうかを探る手続です。
そのため、調停委員からすると、どちらか片方の当事者を強く説得すれば合意ができそうだという場合、多少の無理を押してでも合意するよう説得する傾向がないわけではありません。
そうすると、強く説得された当事者は、必ずしも納得できないにもかかわらず、渋々合意してしまう恐れがあります。
弁護士が代理人となっていれば、調停期日に弁護士が出席しますので無理に説得されることを防ぐことができます。

そればかりか、弁護士が就いている当事者と、弁護士が就いていない当事者がいる場合、調停委員からすると弁護士が就いていない当事者の方が強く説得しやすい傾向にあるようです。
最初の調停期日に弁護士に依頼しないで出席したところ、調停委員から責められるように進められたため、ご依頼されたという方がいました。ご依頼後、弁護士が調停に同席したところ、その方によれば調停委員の態度が正反対に変わったそうです。

 

以上のとおり、調停をするなら、弁護士に依頼する方が良いです。
弁護士費用がかかることを除けば、弁護士に依頼することによるデメリットはなく、メリットしかありません。
そして、弁護士でも相続問題に強い弁護士に依頼しなければ、そのメリットは薄くなってしまいます。

 

相続問題でお悩みの場合は、相続問題に強くて無料で法律相談ができる当事務所にまずはご相談ください。

 

なお、調停の代理人となれるのは弁護士だけです。
司法書士や行政書士は代理にとなることはできないので、相談をする際には注意して下さい。

 


【執筆者】

弁護士 佐瀬達哉

東京と大阪で弁護士として勤務した後、2008年から札幌で葛葉法律事務所を開所。
離婚、相続などの家事事件に関する解決実績多数。
相続では使途不明金や共有不動産に関する訴訟案件などにも対応。

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