CASE STUDY

遺言

遺書を作るには自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらが良いのでしょうか?

【ご相談者】札幌市 70代女性(主婦)

解決結果

自分の遺志をきちんと伝えることができる公正証書遺言の方がおススメです。

 

遺言書を作る場合、主に自筆証書遺言と公正証書遺言の2通りがあります。
どちらで作成するのが良いか、それぞれのメリット・デメリットをご説明します。

 

1 自筆証書遺言のメリット・デメリット

【メリット】
  • 誰にも知られずにひとりで作成できる。
  • 作成費用がかからない。
【デメリット】
  • 法律上の要件を充たさない等で法的に無効となるリスクがある。
  • 紛失する、発見されない、隠匿されるといったリスクがある。

 

自筆証書遺言は、手軽に作成できますが、必ずしも有効な遺言書とならない恐れや、そもそも遺言書の存在がなかったことにされる恐れがあります。

 

 

2 公正証書遺言のメリット・デメリット

【メリット】
  • 法的に無効とされるリスクが少ない。
  • 公証役場でも遺言書を保管するので紛失等のリスクがない。
【デメリット】
  • 公証人や証人など第三者の関与が必要となる。
  • 公証人の手数料等の費用がかかる。

 

遺言公正証書は、作成するのに若干の手間や費用がかかりますが、法的に無効となる恐れが極めて低く、自分の遺言を正確に残すのに適しています。
手間や費用も、公証役場に行ったりするだけなのでそれほどかかるわけではなく、デメリットとしては薄いでしょう。

 

 

結論

自分の遺志をきちんと伝えるためには公正証書遺言の方がおススメです。

 

 

3 死後に遺言書があることを通知してくれるサービスを利用したい場合

自筆証書遺言でも公正証書遺言、作ったことを秘密にしていると誰にも発見されない可能性があります。
しかし、自筆証書遺言書保管制度を利用すると、遺言者の死後、遺言書保管所から遺言書を保管していることを関係相続人等に通知するサービスがあります。
したがって、遺言書を作ったことを生前には誰にも知られたくないけれど、死後にはきちんと遺言書を見て欲しいという場合には、自筆証書遺言を作成して自筆叢書遺言書保管制度を利用することがおススメです。

 


【執筆者】

弁護士 佐瀬達哉

東京と大阪で弁護士として勤務した後、2008年から札幌で葛葉法律事務所を開所。
離婚、相続などの家事事件に関する解決実績多数。
相続では使途不明金や共有不動産に関する訴訟案件などにも対応。

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